Pgpool-II 4.2.20 文書 | |||
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pgpool.confはPgpool-IIのメインの設定ファイルです。 Pgpool-IIの起動時には-fオプションでこのファイルのパスを指定する必要があります。 ソースコードからインストールした場合、デフォルトではpgpool.confは$prefix/etc/pgpool.confに配置されます。
各Pgpool-IIのクラスタリングモードについて設定のサンプルがあります。
表 3-1. pgpool.confのサンプル
クラスタリングモード | 設定ファイル名 |
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ストリーミングレプリケーションモード | pgpool.conf.sample-stream |
ネイティブレプリケーションモード | pgpool.conf.sample-replication |
ロジカルレプリケーションモード | pgpool.conf.sample-logical |
slonyモード | pgpool.conf.sample-slony |
スナップショットアイソレーションモード | pgpool.conf.sample-snapshot |
Rawモード | pgpool.conf.sample-raw |
これらの設定ファイルはデフォルトのソースコードからのインストールでは/usr/local/etcに配置されています。 これらをpgpool.confとしてコピーして使うことが可能です。 (もしかするとそのためにはroot権限が必要かもしれません。)
# cd /usr/local/etc # cp pgpool.conf.sample-stream pgpool.conf
Pgpool-IIにはストリーミングレプリケーションモード、ロジカルレプリケーションモード、メインレプリカモード(Slonyモード)、ネイティブレプリケーションモード、スナップショットアイソレーションモード、rawモードの6つのクラスタリングモードがあります。 いずれのモードにおいても、Pgpool-IIはコネクションプーリング、自動フェイルオーバの機能を提供します。 ストリーミングレプリケーションモードとネイティブレプリケーションモードのときにのみオンラインリカバリが利用可能です。
これらのモードは互いに排他的であり、サーバ起動後は変更することができません。 システム設計の初期の段階でどのモードを使うか決めなければなりません。 どれを使えば良いかわからない場合は、ストリーミングレプリケーションモードを使うことを推奨します。
ストリーミングレプリケーションモードはストリーミングレプリケーションを使用するPostgreSQLサーバと一緒に使うことができます。 このモードでは、PostgreSQLがデータベースを同期する責任を持ちます。 このモードは広く使われており、最も推奨されるPgpool-IIの使用法です。 このモードでは負荷分散が可能です。
ネイティブレプリケーションモードでは、Pgpool-IIがデータベースを同期する責任を持ちます。 このモードの利点は同期が同期的に行われることです。 すなわち、データベースへの書き込みは全てのPostgreSQLサーバが書き込み操作を完了するまで返ってきません。 しかし、PostgreSQL 9.6以降では、ストリーミングレプリケーションでsynchronous_commit = remote_applyと設定することにより、同様の効果が得られます。 ネイティブレプリケーションモードの制限事項を回避できるので、この設定が使える場合には、ネイティブレプリケーションモードではなくてこの設定を使うことをお勧めします。 PostgreSQLはノードをまたがるスナップショット管理を提供しないため、セッションYがノードBでコミットする前に、ノードAでコミットしたデータをセッションXが見ることがあり得ます。 もしセッションXが、そのときノードAで見た見たデータに基づいてノードBのデータを更新しようとすると、ノードAとノードBのデータ一貫性は損なわれるかもしれません。 この問題を回避するには、ユーザは明示的にノードAのデータをロックしなければなりません。 これがストリーミングレプリケーションとsynchronous_commit = remote_applyを使用することをおすすめするもう一つの理由です。
このモードでは負荷分散が可能です。
ロジカルレプリケーションモードはロジカルレプリケーションを使用するPostgreSQLサーバと一緒に使うことができます。 このモードでは、PostgreSQLがテーブルを同期する責任を持ちます。 このモードでは負荷分散が可能です。 ロジカルレプリケーションは必ずしもすべてのテーブルをレプリケーションしないので、負荷分散させるテーブルがレプリケーションされるようにするのはユーザの責任です。 Pgpool-IIはすべてのテーブルをロードバランスします。 このことは、テーブルがレプリケーションされていない場合には、Pgpool-IIがサブスクライバー側の更新されていない古いテーブルを見てしまうかもしれないことを意味します。
メインレプリカモード(slonyモード)はSlony-Iを使用するPostgreSQLサーバと一緒に使うことができます。 このモードでは、Slony/PostgreSQLがデータベースを同期する責任を持ちます。 Slonyはストリーミングレプリケーションの登場により廃れつつあるため、Slonyを使う特別な理由が無い限りこのモードの使用を推奨しません。 このモードでは負荷分散が可能です。
スナップショットアイソレーションモードは、ネィティブレプリケーションモードと似ていますが、更にノードをまたがる可視性の一貫性を保証します。 ただし、制限事項がいくつかあり、今の所(Pgpool-II 4.2)では「実験的な実装」という位置づけです。 業務で使用する場合には慎重なテストをお勧めします。
PostgreSQLのトランザクション分離レベルをREPEATABLE READにする必要があります。 具体的には、postgresql.confに以下のように記述します。
default_transaction_isolation = 'repeatable read'
シリアル型やシーケンスに関する一貫した可視性を保証しません。
rawモードでは、Pgpool-IIはデータベースの同期に関しては関与しません。 システム全体に意味の有る動作をさせるのはユーザの責任となります。 このモードでは負荷分散はできません。